グルノーブルの日本代表MF松井大輔(29)が、ポルトガルの強豪スポルティング・リスボンに複数年契約で完全移籍することが22日、決定的となった。複数の関係者によれば、条件面などで大筋合意に達し、移籍金を含めたクラブ間交渉が合意すれば近日中にも正式発表される見通し。松井はこの日、移籍の話し合いを進めるため成田空港発の航空機でフランスへ向かった。
日本が誇るファンタジスタが、新天地にポルトガルを選んだ。同国リーグ優勝18回、カップ戦優勝19回と輝かしい実績を持つ名門スポルティング・リスボン。フランス2部に降格したグルノーブルとの契約を今季以降も残すため、今後クラブ間交渉が合意すれば、晴れて「リスボン松井」が誕生する。
今月に入り、松井争奪戦はし烈を極めた。W杯での活躍を受けて“松井株”が急騰。関係者によれば、スペインのラコルニャ、フランス国内ではリール、バランシエンヌがグルノーブル幹部と交渉を持ったという。そんな中、今季のポルトガルリーグ制覇と来季の欧州CL出場を見据えて選手層拡大を目指し、松井を高く評価するスポルティング・リスボンから正式オファーが届いた。
日本でのオフを終えた松井はこの日、渡欧した。まずはグルノーブルに戻り、今後について代理人を含め最終会談する。新天地については「自分が一番輝ける場所、成長できる場に身を置きたい」と明言を避けたが、既に心は固まっている。圧倒的な技術を持つ松井が輝ける場所――C・ロナウド、フィーゴら世界有数のドリブラーをその下部組織から輩出した、スポルティング・リスボンこそが最適の場だった。
これまで松井は6年間をフランスで過ごし、欧州でも一定の評価を勝ち得たが、半面、優勝などタイトルとは無縁。スポルティング・リスボンは常に優勝を争う「ポルトガル3強」の一角で、今季の欧州リーグにも出場する。「新天地でもみんなを感動させたい。自分の経験を代表にも還元させたい」。松井が欧州屈指の名門でさらなる飛躍を遂げる。
PR