西武4―3ソフトバンク(18日・西武ドーム) 石井一がグラウンドに戻ってきた。試合で見せた粘り強い投球術とともに、お立ち台で爆笑を誘う“石井節”も完全復活だ。「僕事ですが、もう1匹、犬を飼い始めました。名前は『モコ』です」。大接戦の勝利後に、愛犬報告だ。今季初勝利後のお立ち台でも、同じトイプードルの「ペロ」を飼い始めたことを告白していた左腕。「これからケンカしないか心配です」と続け、ファンを大爆笑の渦に巻き込んだ。
まさに「嵐を呼ぶ男」だ。試合開始約2時間前から、突然のゲリラ豪雨が西武Dを襲った。屋根のすき間から雨が吹き込み、“ドーム球場”にもかかわらず、傘を差すファンもいたほど。試合序盤にも雷の轟音(ごうおん)が響き渡ったが、「何か、勝てるんじゃないかと思いました」とケロリ。6月10日の阪神戦(西武D)以来、69日ぶりのマウンドに集中していた。
頼もしいベテラン左腕だ。6月24日に内視鏡での左足三角骨修復手術。2軍で2度の登板を経て、復帰登板にこぎ着けた。「ファームで135キロしか出なかったから心配していたけど、上(1軍)のマウンドは気持ちいい。自然と力が出ました」。復帰登板となった首位決戦第2ラウンドで、6回1/3を10安打3失点。持ち前の粘り強さを発揮し、味方の好守にも助けられ、5月26日の阪神戦(甲子園)以来、約3か月ぶりの7勝目を挙げた。
渡辺監督は「ローテーションピッチャーが帰ってきたのは大きい。大きな戦力になってくれるだろうと思っているよ」と満足げに答えた。この日の1勝で、今季ソフトバンク戦の勝ち越しが決定。来月9日に37歳になる左腕が、首位を走るチームの救世主になる。
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