活発な梅雨前線の影響で、西日本を中心に15日も大雨が続いた。山口県内では1時間の雨量が70ミリを記録する激しい雨が降り、川がはんらんして一部地域の住民が孤立。山陽新幹線が一時運転を見合わせるなど交通網の混乱も続いた。広島県で新たに女性1人が行方不明になり、この雨による全国の人的被害は死者2人、行方不明3人となった。大雨は九州北部から東北にかけて16日朝まで続く見込みで、気象庁は警戒を呼びかけている。
福岡管区気象台によると、10日午前11時の降り始めから15日午前10時までの総雨量は、山口県美祢市で588ミリ、北九州市小倉南区で577.5ミリ、佐賀市北山で607ミリに達した。
九州北部の雨は15日午前現在、弱まってはいるが、梅雨前線は同日夜まで停滞するという。同気象台は引き続き、激しい雨と土砂災害への警戒を呼びかけている。
山口県下関市豊田町では15日午前6時半までの時間雨量が70ミリを観測。木屋川の水が水位約50センチまであふれ、5世帯15人が一時孤立し、消防関係者にボートで救助された。市は県を通じて自衛隊に災害派遣を要請。市内の891世帯2406人に避難指示を出した。
山口県美祢市西厚保町では厚狭川がはんらんし、約100軒が床上まで浸水。6人が逃げ遅れて自宅の2階に避難し、消防などにボートで救出された。また、同市東厚保町川東では乗用車2台が水没し、乗っていた男性2人が救出された。同県山陽小野田市でも厚狭川の水が堤防を越え、3306世帯8075人に避難指示が出た。この影響で山陽新幹線は広島―小倉間で一時運転を見合わせた。
高速道路も、中国自動車道や山陽自動車道の一部区間で通行止めとなった。
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