zhaohua9
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イタリアのベネチアで“吸血鬼”の骨が見つかった。集団墓地で女性の骨が発掘され、その頭蓋骨に中世の悪魔払いの儀式の痕跡が認められたのだ。写真のようにレンガなどで口をこじ開けふさぐ行為は、吸血鬼ではないかと疑われた遺体に対して行われていたものだった。女性は当時流行していた疫病の犠牲者の1人とみられ、苦しみの末に死後にまで疑いをかけられていた“吸血鬼”の苦難が初めて明らかになった。
「これまで吸血鬼にかかわるものであると認められた考古学資料はなく、これが初めての事例となる。まさか自分が吸血鬼を見つける機会に恵まれるとは」と研究チームリーダーでフィレンツェ大学の法医考古学者マッテオ・ボリニ氏は、ナショナル ジオグラフィックニュースに語った。同氏は2006年以来、ベネチアのラッザレット・ヌオーボ島で集団墓地の発掘を続けており、この“吸血鬼”の頭蓋骨はその過程で発見された。 頭蓋骨
中世の時代には、吸血鬼の存在が広く信じられていた。これは主に腐敗のプロセスがよく理解されていなかったためである。人間の胃の腐敗が進むと、死体の鼻や口から血液のような暗褐色の体液が流れ出すが、このメカニズムが正しく理解されずに、吸血鬼の犠牲となった証拠であるとみなされていたのだ。この体液は時に口元からアゴにまで垂れ下がり、遺体を覆う埋葬布をぬらすこともあった。アメリカワニ 亜米利加鰐 Crocodylus acutus 1:1頭蓋骨レプリカ
当時は疫病の犠牲者をまとめて埋葬するために墓地が掘り返されることも多く、この地方の墓堀人は体液で部分的に“腐食”した埋葬布をまとう遺体の姿を目にしていた。 そして、疫病は吸血鬼によってもたらされると考えられていたため、埋葬布の腐食は疫病を広めるために吸血鬼が使った魔力の跡だという迷信が根付くことになった。そのような遺体の口にはレンガや石などが詰め込まれたが、これは吸血鬼の口をふさげば疫病の流行を止められると信じられたためだった。