「反菅」「支持」攻防激化
小沢氏支持派では、6月の代表選で樽床伸二国対委員長を擁立した三井辨雄国対委員長代理らのグループが20日夜、東京都内で会合を開催。樽床氏や、鳩山由紀夫前首相グループの平野博文、小沢氏に近い松井孝治前正副官房長官も出席し、「難局を乗り切るには小沢氏の出馬しかない」として出馬を促すことで一致した。
今後の対応は、輿石東参院議員会長に一任することも決定。三井氏は記者団に「小沢氏が出馬できる態勢を作る」と述べ、小沢氏出馬への環境整備を急ぐ考えを示した。小沢氏も周辺に出馬を検討する考えを示している。
小沢氏グループは菅首相の動きを封じる工作にも着手した。首相は23日からの新人議員との会合を皮切りに事実上の選挙運動に突入したい考えだが、ある新人衆院議員には小沢氏系議員から「首相の会合に出ないでほしい」と圧力がかかった。この新人議員は「出欠を小沢氏側にチェックされるので首相の会合は欠席する」と語る。
これに対し、菅首相支持派も動きを加速させた。前原誠司国土交通相グループは20日夜、約40人が都内のホテルに集結。前原氏が「しっかり菅首相を支えてやっていこう」と述べ、首相支持を正式決定した。
カギを握るとみられる鳩山氏グループの動きも活発化。平野氏と別に20日夕、中山義活前首相補佐官が山岡賢次副代表と会談。山岡氏が「小沢氏支持の流れを一緒に作ってほしい」と要請したのに対し、「鳩山氏は菅首相を条件付きで支持しているが、これからはその条件が重みを増す。対応は白紙だ」と含みを残した。鳩山氏側近の小沢鋭仁環境相も仙谷由人官房長官らとの会談を模索しており、周辺は「首相側の対応を探る一環」とみている。
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