中国、空母訓練施設を建造
2009年10月、香港紙・星島日報は中国中部・湖北省の武漢にある中国艦船設計研究センターの敷地内に実物大の空母の模型が建造されていると報じた。飛行甲板部分には戦闘機やヘリコプターが置かれており、海軍が本物の空母保有を想定して、離着陸の訓練を行うための施設とみられる。
同センターはこれまでに多くの艦艇を設計してきた政府系の研究施設。空母の模型に船体はないが、公表された写真では巨大な艦橋と甲板がほぼ完成している様子が分かる。この訓練施設には英国やロシアの空母と同様、傾斜をつけた飛行甲板(スキージャンプ台)が装備されていることから、カタパルトなしでの航空機運用を行う考えのようだ。中国は1985年、オーストラリアの退役空母メルボルンをスクラップとして購入、この空母に備え付けられていた蒸気カタパルトを研究したとされるが、国産カタパルトの実用化には至っていないとされる。
中国は空母艦載機として、ロシアのSU27をライセンス化したJ11H戦闘機をベースとした改良型の開発を進めているとされる。ロシア唯一の空母アドミラル・クズネツォフは、SU27の艦載型SU33をスキージャンプ台で離陸させる方式で運用しており、武漢の訓練施設もこれを意識したものとみられる。
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